口臭が気になると「相手に臭っていないかな?」と不安な気持ちになります。
口臭のせいで友達や彼氏との会話も弾まないし、周りに迷惑をかけていそうで仕事も集中できない人もいると思います。
口臭の大きな原因の一つは口内の汚れです。
なかでも歯石は食べカスや歯垢よりとれにくく、歯にくっついているので取るのが困難です。
歯石のほかにも虫歯や歯周病も口臭の原因となります。
歯石・虫歯・歯周病は症状が悪くなる前に病院の受診をおすすめします。
また口臭だけなら口臭外来のある病院でも治療可能です。
口臭外来は歯医者で扱っていない口臭の悩みも見てもらえる場合があります。
歯石が口臭になるメカニズムから、歯医者や口臭外来の治療法や治療費まで詳しく解説します。
虫歯や歯石が口臭の原因になる
歯石とはお口の中の汚れとカルシウムが合わさりできる物質です。
食べカスは約8時間で歯垢に、歯垢は約2週間で歯石とかわります。
歯石はニオイのするガスを発生するので口臭の原因になります。歯石が放つガスはメチルメルカブタン・臭化水素・ジメチルサルファイドなどで、細菌が食べカスを分解する際に出ます。
細菌が歯茎に付着すると出血や膿を起こします。
細菌は血液や膿もエサにし、口臭の原因となるガスを出すのです。
歯石の付着を防いで口臭予防し、今ある歯石を除去して口臭対策するのが大切です。
歯医者での治療法
自宅では歯石予防が可能で、歯みがきや歯間ブラシ、歯石予防専用のデンタルリンスでうがいするとよいです。
ただ沈着した歯石はホームケアできないため、病院の治療法で治しましょう。歯石がなくなれば口臭の軽減を実感しやすいです。
歯石除去の治療法
歯石除去で歯医者を受診すると、虫歯チェックやブラッシング方法のレクチャーまでしてもらえます。
歯石除去の流れ
- カウンセリング(口内や健康状態の確認)
- 口内を診察(虫歯・炎症の有無、歯周病ポケットの計測)
- 歯石を取り除く
- 正しいブラッシング方法の指導
歯石除去の治療法は複数回にわけて行う病院もあります。
歯石除去は保険適用される場合もあり、値段は1回約2,000~3,000円です。
また歯石除去には専門技術のスケーリングとルートプレーニングを使用します。
スケーリング治療法
スケーラーという機械で、歯や歯周ポケット内の歯石の掃除や、超音波で歯垢をなくす方法。
スケーラーは細い器具を歯と歯の間や歯周ポケットに入れるため、多少チクチクと感じることも。
スケーリング治療法をしたらルートプレーニング治療法を行います。
ルートプレーニング
歯周ポケットの歯石を除去して、さらに歯の生え際をフラットにして歯垢がつきにくい歯に仕上げます。
歯医者では国家資格合格者の歯科衛生士が歯垢を落としてくれるので、痛みを感じにくいです。
虫歯の治療法
虫歯による口臭は腐敗臭がします。
虫歯が進行し、たんぱく質でできた神経が細菌に浸食されると強い口臭が起こるのです。
虫歯は症状のレベル別に、Co、C1、C2、C3、C4とステージがわかれています。
虫歯予備軍はCo、虫歯が進み歯もボロボロになった状態はC4です。
Coレベルだと自然治癒の可能性があるので治療しない病院もあります。
虫歯は進行するとドリルで穴をあける、つめものをするなど治療法が複雑になり、治療回数も増えます。
C3になると神経に虫歯が届いているため麻酔をし、C4は抜歯が必要となるので、虫歯は早期発見・早期治療が大切です。
歯周病の治療法
歯周病は、歯茎の奥深くで起こっている可能性があります。
歯周病の原因となる嫌気性菌は酸素が苦手なので、空気に触れない歯と歯茎の隙間で繁殖しやすいのです。
歯茎の下にできた歯石が歯茎にダメージを与え、口臭が起きます。
口臭の原因となる歯周病も歯医者で必ず治療してください。
歯周病の治療法では、歯と歯茎の隙間にできた歯石や、歯周病による感染部分を除去します。
口臭外来での治療法
口臭の悩みは歯医者が専門の病院と思われがちですが、より専門的な病院は口臭外来です。
口臭外来では、なぜ口が臭くなっているか知ることができ、原因にあわせた治療法を行ってもらえます。
完全予約制の口臭外来もあれば、随時診療受付しているところもあるので、ホームページで事前に確認しておきましょう。
6か月間口内環境を整える効果が望める、プロバイオティクス配合タブレットなども口臭外来の病院では人気です。
口臭外来は専用の診療プログラムがあるため、歯科医院だけでなく総合病院内で受けられる場合もあります。
費用
口臭外来の病院は専用の機械を使用した治療法のため、検査費が30,000円を超えるケースもあります。
検査費のほかにも、診療費が20,000円かかるので合計50,000円以上かかる所が多いです。
予約制の口臭外来の治療はキャンセル料が発生する場合もあります。
保険適用について
口臭外来は保険適応になる場合とならない場合があります。
お口のクリーニングや歯周病チェックは保険がきくことが多いです。
レントゲンや歯石除去も保険がききます。
唾液分泌量や医師がニオイを直接かぐ検査や治療法のコースは、保険適応外です。
治療の流れ
口臭外来の病院では、医師や看護師がカウンセリングや検査、治療を行ってくれます。
口臭外来は検査項目が充実しているため、口臭の原因をくわしく知れる点が魅力的です。
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1問診
口臭外来での口臭治療法は、カウンセリングから始まります。
口臭に関する悩みやお口の状況を医師に説明してください。
普段の食事や睡眠についてメモし、すぐ話せるようにしておくとスムーズに問診が進みます。
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2診察、検査
医師が口内を診察し、レントゲンで検査します。
口臭は虫歯や歯周病、唾液分泌の減少などで起こることが多いので、口内環境をチェックする必要があるのです。
レントゲンをとったら、CTスキャンや尿検査、唾液の分泌量検査など、よりこまかな精密検査を行います。
精密検査では口臭の原因がハッキリわかります。
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3医師による診断
検査をしたら医師が患者さんの口臭の原因について説明します。
具体的な口臭治療法の内容や、食事内容など生活習慣のアドバイスもしっかり聞いておきましょう。
病院によっては口臭の原因にあわせて、専門性の高い歯科医師を紹介してもらえる可能性もあります。
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4口臭の治療
口臭の原因を元に、専用の口臭抑制剤やサプリメント、漢方で治療します。
なかにはマッサージ治療を行うクリニックもあり、治療法はさまざまです。
1~2週間に1回通院し、約3か月で口臭改善を実感する人もいます。
口臭外来や歯医者での口臭治療法 まとめ
口臭はマウスウォッシュやスプレー、生活習慣の改善などで予防できます。
ただ歯石や虫歯、歯周病による口臭がすでに起きている場合は、歯医者や口臭外来などの病院を受診しなくてはいけません。
歯石は自分で除去できないし、虫歯や歯周病も歯医者でないと治せないからです。
口腔内の症状が悪化すると治療回数も費用もかかってしまいます。
症状を悪化させないためにも、歯・歯茎・口臭に異変を感じたら、すぐ歯医者で診てもらってください。
大切なのは歯石・虫歯・歯周病を起こさないことです。
正しい歯みがきや舌みがきを覚え、歯医者や口臭外来の病院で、歯石のクリーニングを定期的にするとよいでしょう。
お口の衛生環境を守ることは、口臭のほか虫歯や歯周病予防にもつながります。